2007年08月13日

初めまして! 矢野です!

photo-face-yano1.jpg突然のヒザ受傷
●膝の受傷、そして鍼灸治療との出会い
大学時代、空手部の練習中に私は膝の靭帯を
傷めました。
しかし、団体戦に出なければという一心でろくな治療も
受けずにいたことから、膝の不調は始まりました。
以来、数年間も様々な治療を受けてきましたが、
大した効果は感じられませんでした・・・。

しかし、一度、鍼灸治療を受けてから、ウソのように変わりました。
(とても怖かったですが・・・!)
それまで、10分も走ればこわばっていたヒザが、フルマラソンやトライアスロンも可能となるまで回復したのです。


●鍼灸治療の道へ
私は理科系で、スポーツ医学にも興味がありました。
鍼灸を受けてから鍼灸に対する興味がぐっと沸き上がり、この不思議な
治療法を理解し、自分のものとしたいと思いました。

私は鍼灸の道に入り、鍼灸学生時代よりスポーツ障害の治療で有名な
師匠のもとで修行させていただきました。


●筑波大学での卒後研修の日々
鍼灸学校卒業後は、筑波大学理療科教員養成施設の宮本俊和教授
(現:施設長)のもとで3年間も研修をさせて頂きました。
そして、通常過程の臨床のみならず、研究、教育、執筆と、またとない
貴重な経験をさせて頂きました。

一方、筑波大学に在籍しながら、自身でも臨床を始めました。
要介護状態の方々から、トップアスリートまで、様々な痛みと悩む方々と「大学の看板」なしに向き合い、「アウェー戦」で臨床経験を積ませて頂きました。


●夢のような開業 都心に治療院を開設
筑波大学を修了後、しばらくは要介護の患者様や、大学部活への往診を主に活動していました。
そんな私の状況を見かねたのか、恩師の宮本先生からまたとないようなお話を頂けました。

「空き店舗となる治療院でモノも揃っている、患者さんもそこそこいる。
お前の患者さんを少しずつ増やしていったらいいよ。」

お金も経験もない私が、ほとんど借金もなしに、東京大手町のすぐ近くに
治療院を開設させて頂けました。
それから、往診、治療院、母校での研究、アスリートや舞台への帯同・・・ 
とにかく夢中で休むことなく駆け回りました。
しかし、治療はまだまだ荒削り、経営も未熟でずさんなままでした・・・。


●ご縁あっての、まさかの結婚
経営的には全くダメ、人間性もとにかく偏っていた私でしたが、目をかけて
くれていた方もいました。
学生時代によく通っていた食堂の親父さんにたまたまご挨拶にお伺いした
とき、「お前まだ一人か?」と尋ねられました。

その人が、自分の義父となるとは思いもしませんでした・・・!

妻と初めて会ったとき、直感ですがなんとなく
「あっ俺、この人と結婚するのかな・・・」  と思いました。
なにか、自然なままに時間が過ぎて、2か月後には親父さんにお願いに
行きました。
今から考えたら、経営もろくにできていない自分に、よく娘さんを下さった
なぁ・・・
と、ただただ申し訳ない限りです。


●第一子誕生、そして妻の体調悪化
結婚してから、すぐに第一子が誕生しました。
その前後から、私も妻も、生活が激変してきました。
妻は、もともとはかなり活発なタイプでしたが、なぜか産後はずっと
不調でした。

私は恥ずかしながら、家事を分担するという考えが全くなかったのですが、
妻の訴えが甘えでないように感じ、「これは俺のやることなんだろうか?」
と自問しながらも、仕事を後回しに色々な家事をし始めました。

妻の不調の訴えに、患者さんの予約を急きょキャンセルさせて頂いたことも
何度もありました。
治療家としてどうなんだろう・・・? と何度も自問しました・・・

単に産後の肥立ちが悪いのか? 産後うつなのか? わからないまま、
私も妻の事を少し後回しにしたままでした。


●都心からの撤退、訪問専門治療院への再就職
出産後1年半、妻が倒れました。
2週間ほど入院し、ようやく、「汎下垂体機能低下症」という特定疾患の一種に
かかっていたことが判明しました。
治療院はいまだ不安定で赤字も多く、しかし、仕事にも全精力を注ぐわけには
行かなくなりました。
夜が主体の店舗型治療院では妻を手助けできない、日中が主の要介護の
方々への往診専門に絞るしかないと思い始めました。

そんなとき、東日本大震災が起きました。
もう、これが潮時と思いました。

これまで要介護の患者様をご紹介して下さっていた、訪問看護事業所の
社長が、私を拾って下さいました。
本当にありがたい事でした。

また幸いにも、治療院は撤去費用もほぼ0に等しいほどで、あっさりと身を引く
ことができました。
身を引くときにも、本当に色々なご縁を感じました。
都心での夢のような開業生活は終わりましたが、またとない貴重な経験を積めた期間でした。


●要介護の現場に主軸を
訪問看護事業所に併設された訪問鍼灸マッサージ治療院が、新たな私の職場でした。
これまで、要介護の方々のお宅に訪問はしていましたが、他の職種の方々と連携、連絡を取りながら、単に痛みなどの身体症状だけでなく、その方の全体像をみて関わっていくことの重要性を感じました。

まだまだ勉強しなければならないことが山ほどあると感じました。
また、介護には、これが正解、という答えがない、ということも感じました。
自分自身の人間性も、もっと磨き、また豊かにしていかなければと感じました。


●仕事、家庭、もろもろを引っ越し
妻の病のこと、仕事場、お互いの実家、息子の子育て・・・ 色々なことを考え、妻の実家近くに引っ越そうと決めました。
探し回って決めかねていた時、義父が手を差し伸べてくれました。

義父が昔やっていた食堂を、住処に使わせてくれたのです。
そこは、私も学生時代によく通ったお店でした。
そこが、自分たちの住処になるなど、学生時代には考えもつきませんでした・・・!

家庭も、病院も、保育園も、仕事も、
学生時代に住み慣れたここ平塚に、全て引っ越しが完了しました。


●この地域で、いま、痛みに悩みながらも、お家から出られない方のために
こんな状況の私にできること、
それは、この地域で、いまも痛みに悩みながらも、ご自宅から自由に歩けない方々に寄り添い、痛みと向き合っていくことだと思います。

ここに至るまで、いろいろ回り道をしました。
でも、ここに至る事ができて良かったと思います。

自らの痛みに、自ら試してきたからこそ、提供できることがあります。
痛みに悩む、あなたの支えの一つとなれたら、嬉しい限りです。


経歴・資格
・東海大学大学院 工学研究科応用理学専攻 修了
・赤門鍼灸柔整専門学校卒業
(学園祭にて学術大賞受賞)
・筑波大学理療科教員養成施設 理療研修生
(スポーツ鍼灸の草分け 宮本俊和助教授に師事)
・筑波大学大学院体育総合実験棟トレーニングクリニック 鍼灸治療スタッフ
・東京健康科学専門学校 非常勤講師(東洋医学)
・日本陸上競技連盟 公認C級トレーナー

所属学会
・全日本鍼灸学会、日本膝関節学会、筋膜性疼痛研究会、
 日本臨床スポーツ医学会、等

専門分野
・膝関節痛の鍼灸治療、リハビリテーション

活動実績
・要介護状態の患者様への訪問治療(2005年より)
・正則学園駅伝部 日々の治療、合宿、大会への帯同(5年間)
・東京都高校長距離部合同合宿(岩手) 帯同鍼灸治療 (4年間)
・ミュージカル「ピーターパン」(ホリプロ)興行時トレーナー
・京都大学アメリカンフットボール部夏季合宿 帯同鍼灸治療 
・登山者やウォーカーの膝痛調査や鍼治療、学会発表、セルフケア講習会など

執筆・論文等
・スポーツ鍼灸の実際―最新の理論と実践 (専門書)
矢野は膝関節の章を執筆しています。

・ウォーキング大会参加者における運動器系愁訴とその対処に関する調査
(論文)ウォーキング大会参加者の方々の膝や腰の痛みについて調査した内容をまとめています。

・中高年登山者における運動器系愁訴の状況とその対処に関する調査 
(論文)中高年登山者の方々の膝や腰の痛みについて調査した内容をまとめています。

・もう怖くないヒザの痛み (山と渓谷2005年7月号 特集)
中高年登山者の多くが悩まれる、膝へのセルフケア等についてまとめています。

※上記執筆は全て、恩師の筑波大学 宮本俊和准教授に監修頂いております。

平塚市・中郡(大磯町・中井町・二宮町)・秦野市・伊勢原市 
要介護・高齢者への訪問治療【矢野治療院】
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針(はり)治療を考える上での基礎

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経験論ばかりで理屈がなければ、医学と思ってもらえない。

理屈ばかりで経験論がなければ、あなたの思いがわからない。

大切なあなたのために、どちらも大切にしたい。

理屈(客観的な根拠)と、経験論(主観的な実体験)


私、矢野はこの二つを、治療を考える上での基礎と考えています。
この二つは車の両輪なのです。


  ・客観的な根拠
   (現代医学・体育科学・鍼灸学の研究報告の勉強、研究者との交流)

      ⇒ 特化した分野、また質の高い学会に入会し、勉強し続ける。

  ・主観的な実体験
   (恩師からの伝承技術、自身のスポーツ・労働・怪我などの実体験、
     自身に鍼灸を施した実体験、自身を用いた実験)

      ⇒ 自ら体験し、自らの痛みに自ら鍼を打ち、自ら試す。


膝痛、腰痛、スポーツ障害に悩む、あなたのための鍼灸治療室
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posted by のべ4万名超の治療実績 要介護・高齢者への訪問はり治療【矢野鍼灸治療院】平塚市真田 at 22:00| 膝痛と針(はり)治療と私 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

●客観的な根拠を得るために

代表、矢野が入会している学会をご紹介します。
年間に数十万円かけても勉強し続け、追求してゆきたいと思っています。

・日本膝関節学会
国内の膝の整形外科専門医、理学療法士などが集結した学会です。
鍼灸師で入会した者は矢野の母校の施設長と、矢野の他には聞いたことがありません。
毎年、繁忙期の6月に開催されていますが、極力参加しています。
また、学会誌も極力目を通すようにしています。なにより膝の勉強が楽しみです。
膝に強い鍼灸師になりたい! これからも努力してゆきたいと思います。

・全日本鍼灸学会
鍼灸を科学的に追究する、国内最大の鍼灸系学会です。
矢野は鍼灸学校に入学した直後から入会し、毎年参加し続けています。

鍼灸を行う上での科学的な根拠を持ち続けるべく、また、臨床の先輩方には専門書に載っていない現場での活きた技術を教わるべく、これからも学会に参加してゆきます。
そして、第一線の研究者や臨床家の先生方と交流を続けてゆきたいと思います。

・日本体力医学会
日本最古参、最大のスポーツ医学会です。医師や理学療法士、スポーツ医科学研究者が多く所属していますが、鍼灸師として入会した例はごく少数です。
近年は競技者のための研究のみならず、中高齢者の生涯スポーツや介護・福祉に関する体育科学的研究も多く発表されるようになってきました。
矢野は努めて学会に参加し、また多くの研究文献を参考にしています。

・日本臨床スポーツ医学会
スポーツ系の臨床に携わる医師、理学療法士、スポーツ医科学研究者が多く集う学会で、より現場に近い研究が発表されています。
こちらも、鍼灸師として入会した者はごく少数です。
最近は学会の時期が重要な大会と重なり、なかなか参加できていませんが、研究文献には目を通すようにしています。

・日本ウォーキング学会
ウォーキングをスポーツ医科学のみならず多方面から研究している学会です。
ウォーキングは登山と同じく持久系の歩行運動で、愛好者も登山と似たような年代層の方々が多くを占めていますが、昇降運動の量、荷物の量が大きく異なります。
当然、膝への負担も大きく異なります。ウォーキングと登山の共通点、相違点などを勉強したいと思い入会しました。
入ってみるとこの分野も、とても面白いところでした。毎年、学会に参加しています。

・日本登山医学会
山好きの先生方が集結した、世界でも異色のスポーツ医学会です。
現在では、変形性膝関節症を潜在的に抱えている中高年者の方々が登山人口の多くを占めています。そのような中、登山で膝を痛める方も多くおられます。
中学時代より登山をしてきて、しかも膝の靭帯や半月板を痛めたことのある矢野にとっては、登山者の膝痛にはただならぬ思い入れがあります。
登山のことについても科学的な面から勉強したい、そんな思いから入会しました。


過去に参加した学会
・日本腰痛学会
・日本自律神経学会
・スポーツ選手のためのリハビリテーション研究会
・陸上競技研究会


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posted by のべ4万名超の治療実績 要介護・高齢者への訪問はり治療【矢野鍼灸治療院】平塚市真田 at 21:00| 膝痛と針(はり)治療と私 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

●実感・実体験を治療に活かす

あなたの痛みを、私も実感できるように、たとえ少しでも・・・

現代社会は、科学技術の進歩によってもたらされたと言っても過言では
ありません。
しかし、最先端の科学者や技師であれ、勘や経験といった実感、実体験に
もとづくものを重視しているのも事実です。

私たちが専門とする鍼灸(しんきゅう)も、古代から伝承されてきた医療技術
です。
近年、鍼灸にも医科学的な研究がなされていますが、実際の臨床においては
感覚的な面が非常に重要です。

そのため私は、「自ら体験し、自らの痛みに自ら鍼を打ち、自ら試す」ことを
常に心掛けています。

すなわち、
 恩師の先生方から技術を伝承していただき、
 また、自身がスポーツや肉体労働、痛み、怪我などを実体験し、
 その身体に、自ら鍼灸を施し、その結果を実感し、
 自身を用いた実験を繰り返す。
これこそ、臨床現場で最も活きる経験論だと考えています。


●自身に対する鍼灸実験の一例
−8ヶ月連続の施灸期間中、貧血の改善がみられた自身の例−
(赤血球値の変化は文末のグラフをご覧下さい)

私は、鍼灸専門学校1年時にトライアスロン競技を始め、それから軽度の貧血状態が続きました。
これはマラソンや駅伝等の持久系スポーツでは珍しいことではありませんが、競技成績を左右する重要な因子です。大会期に貧血状態となっているよう
では、記録を狙うことなどできないのです。

私は貧血に関する鍼灸の研究報告を国内、海外問わず探しました。
文献の医学的評価としては高くないものばかりでしたが、灸に関しては貧血の改善効果がみられるようでした。

血液検査は、成分献血を定期的に行ないデータを保管していたので、トライアスロンの練習を始めてから常に低値であることがわかっていました。
そこで思い立ったが吉日、成分献血の翌日から2週間、毎日欠かさず灸を
自ら自身に行いました。
そして成分献血で検査データを頂いたところ、目を疑いました。
貧血の視標となる赤血球(せっけっきゅう)の値がかなり改善しているのです。

私は灸が俄然面白くなり、ほぼ毎日灸を繰り返し自身に行いました。
私がメインターゲットとしていた、七ヶ浜トライアスロン大会まで、8ヶ月にも
わたって行いました。

結果は、以下のグラフをご覧下さい。隠すものは何もありません。
まだ、自身の一例のみに起こった変化でしかなく、灸によって貧血が改善するなどとは無論公言できませんが・・・
いつか、貧血に対する灸の効果を証明したいと考えています。

赤血球数(RBC)の経日変化;
赤血球数RBCの経日変化.jpg

ヘモグロビン値(HGB)の経日変化;
ヘモグロビン値HGBの経日変化.jpg

ヘマトクリット値(HCT)の経日変化;
ヘマトクリット値HCTの経日変化.jpg

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posted by のべ4万名超の治療実績 要介護・高齢者への訪問はり治療【矢野鍼灸治療院】平塚市真田 at 19:00| 膝痛と針(はり)治療と私 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする